「子供の時に英語圏に行くと、半年くらいでペラペラになる」 という話をよく聞きます。また、小学校低学年くらいまでに英語圏に行けば、音を聞き分けられる能力があるので、発音がネイティブに近くなる、というのも、よく聞きます。子供の言語学習にまつわる噂は色々あり、保護者を惑わします。
果たして、子供は半年くらいで「ペラペラ」に英語を話すようになるのでしょうか? 今回は、このよく聞く噂を、実体験に合わせて検証します。
子供が英語を話すのにかかる年月は?
結論から言うと、私の子育て経験では、
半年くらいで英語を流暢に話すようになる、という事はありません でした。
子供の言語習得期間は、移住する子供の年齢にも影響します。一般的には、中高生など年齢が高すぎると時間がかかり、そもそも母語の形成もない低い年齢でも、言葉を話すという意味で時間がかかる、と言われます。従って、我が家の体験は、単なる一例です。
まだ話が通じない、悪魔の3歳児の渡米
息子の場合は、最初の渡米が3歳でした。半年の出張に、息子を同伴しました。英語は全くわからない状態で、現地のプリスクールに朝8時から5時まで平日5日間通いました。半年後、「how old are you?」も覚えないまま、この滞在は終わりました。あんなに長い時間をプリスクールで過ごしたのに、どういうことだ?と、ビックリしたのを覚えています。
よく考えると、3歳という年齢は、言いたいことがようやく言えるようになる段階で、親子での日本語のコミュニケーションでも難しいことが多いです。そんな状況で、第二言語なんて、さらにコミュニケーションを取るのは難しかったわけです。
小学校の入学、5歳児の渡米
その後1年間、日本に戻り、5歳前に再びアメリカに渡りました。到着してすぐプリスクールに入り、ここは3ヶ月で卒業、その後、小学校のキンダーガーデンに入学しました。
息子は、キンダーに入る頃にはお友達と少し話すようになり、ソーシャルな性格なので、小学校に入ってすぐ友達も作りました。さらに、学校では、ELLクラスを受講しました。これは学校内の特別クラスで、家庭で英語以外の言語を使う子供に向けた、英語に特化した個人授業です。週に二回ほど英語などの授業の時間に、一人で抜けてこの個人レッスンを受けます。息子の学校では、ELLの担当は、言語学で修士学をとった専門の先生で、自分の口の動きを子供に読ませて発音を矯正したり、単語や英語の全般的な理解などを中心に教えてもらいました。
そこまでしても、半年が経って、息子の英語力は3割程度。3回に1回は理解する、言いたいことの30%は言える程度だったと思います。waterなどの発音はキレイでも、基礎的な英語力はまだまだでした。
結局、息子の発音、語彙力、コミュニケーションで
全く問題ない英語力に達するまで5年かかった と思います。
このように、子供の言語習得には、噂よりだいぶ長い時間、2、3年以上かかる可能性があります。 親としては、その可能性も念頭において、長い目で子供の成長を暖かく見守りたいものです。
子供の言語習得、親ができること
子供の言語習得で、一つ注意したいのが、夏休み中の一時帰国と日本の学校への通学です。子供といえど、夏休みに2、3ヶ月間、日本に戻ると、言語のスイッチが日本語に切り替わり、アメリカに戻って迎える新学期には、英語を少し忘れていることもあるそうです。なので、夏休みの過ごし方も、言語習得の時間に違いが出るかもしれません。
我が家は、夏も仕事があったので、日本への長期帰国はせず、夏休みは私立のサマースクールに入れました。サマースクールでは、一日中、学習やスポーツや芸術などで英語環境を維持できます。もし、仕事の関係でお子さんの英語圏での滞在が限られており、お子さんの英語習得に専念したい場合には、夏休みにも現地のサマースクールやキャンプがお勧めです。
次回は、バイリンガル教育、第二弾。海外での日本語教育をご紹介します。特に男の子には効果があるかも? どうぞ、お楽しみに。
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