プロになれるのはどっち? 1万時間 vs. 1万回タッチ

ご存知の方もいると思いますが、Malcom GlandwellはOutliers: The Story of Success(和訳本 天才! 成功する人々の法則)という書籍において、誰でも1万時間の鍛錬をすると、プロフェッショナルのレベルに到達できる、と説いています。

いわゆる、1万時間の法則です。

スポーツだけでなく、ビルゲイツが高校生でコンピューターに打ち込んだ時間やビートルズのステージ演奏なども、1万時間だったようで、この気が遠くなるような長い鍛錬が、成功やイノベーションにつながったと説明しています。

私はこの本が大好きで、何度か読み返しては、息子のサッカーの1万時間の修練について妄想した時期がありました。もし、18歳でプロフェッショナルレベルに到達するのを目標とした場合、7歳からの18歳の12年間で1万時間に到達するには、毎日休まず2時間半の練習が必要です。この練習時間、達成可能なお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、うちの場合は、とてもじゃないけど、現実的な数字ではありません。さらに、練習が続くと、疲労がたまり、怪我のリスクが増えるので、そこはどうなんだろう、とも考えてしまいます。

1万時間の法則には、否定的な人もいます。最近の傾向では、1万時間の法則は、個人スポーツや音楽演奏に関しては効果があっても、団体競技、特にサッカーのような複雑性が増す競技には適さないのではないか、という意見です。例えば、試合のレベルが上がってくと、1時間の試合で、ボールに触るのが100回も到達しません(例えば先日の日本代表戦のタッチ数)。そう考えると、育成期にいくら試合をこなすことで練習時間を稼いでも、本当に上手になるんだろうか、という疑問が出るようなのです。以前ブログで書いた練習の質も、もしかしたら重要で、何かを達成するのに要する時間は人によってバラツキがありそうで、どの時代のプロ選手も同じような時間数を達成しているか?、ってこともありそうです。

このような意見を踏まえて、1日1万回タッチこそがプロフェッショナルサッカープレーヤーへの道である、という議論も目にするようになりました。

1万回タッチの理論は、タッチの精度は関係しないが、さすがに毎日1万回もボールに触っていたら、ボールタッチは良くなる、というのはわかります。また、1万時間の法則が10年後、20年後の長期スパンの目標であるので対し、こちらは日々の達成という点で明確です。

そこで、1日1万回タッチは現実的な数字なんだろうか、と考えてみました。

息子がやっているファーストフットワークは、そこそこタッチ数が多い練習ですので、ちょっとやってもらいました。ビデオは早送りしてますが、3分間でタッチ数は470〜500程度です。(数え間違えあります、とにかく正確にタッチ数を数えるのはすごく難しい!)



ハワイのチームではこのフットワークをほぼ休みなく30分続けるので、4000〜5000回以上のタッチ数でやってるかもしれません。みんな、練習が終わると、汗びっしょりです。一方、試合の時は、チームやポジションによりますが、今のチームだと、1試合でドリブルで持っていくプレーが5回か多くて10回?、パス回しに入ったり、デフェンスしたりでちょこちょこ細かく触わるプレーが10回としても、100タッチないカモ、という印象です。練習もそこまでタッチ数は多くなりません。つまり、毎日1万回タッチを到達するには、よほど、家で一日中ボールを触らないと、というレベルです。難しい目標だからこそ、毎日やれるとプロフェッショナルの域に到達するのかもしれません。

最後に、この1万回タッチ理論は、スポーツをやる子供達だけでなく、親でも何か上達するときの目標となる数字のようです。で、やれるか挑戦しましたが、私は5日で挫折しました。(ちなみに挑戦したのは文章を書くです)。親でも大変厳しい目標なので、くれぐれもお子さんを追い込まないようにー。

文章を書く
毎日1万語書く、あるいは好きな本やブログなどから単語数1万の文章を読む。

外国語学習
文章を書く、話す、話を聞くを合わせて、単語数1万語に毎日触れる。

楽器の練習
できない箇所だけ短く切って演奏を繰り返す。

ジムのトレーニング
一回にあげるウェイトの重さ×回数をカウントして、1日のワークアウトで、1万 kg行う。

ランニング
1週間に7万ステップ。



1万時間の法則を紹介するOutliersは、夏休みの過ごし方がその後の子供達の学習到達度に与える影響、大韓航空が頻発した事故から取り組んだ問題解決法など、多岐にわたって話を展開し、大変面白いです。日本語本でも英語本でも、どちらでもオススメ!

1万回ステップの内容はこちらの記事を参考にしてます。


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utlogan



少年サッカーの悩みや経験を、海外の多角的なママ視点から綴るブログ。ブログを通して読者には、サッカーを通した楽しい親子関係が構築できるよう、運営しています。


ブログ著者:アメリカ在住、大学研究者。
3歳の息子を連れて母子研究留学を経て、2012年より家族でアメリカに移住。


ご連絡はこちらまで:utlogan101@gmail.com