イタリアオヤジが下部組織のスカウトを断るわけ

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イタリアの少年サッカー事情や、育成の仕組み、エリート下部組織の実態などが、コンパクトにまとめられた「カルチョの休日」。読み物としても楽しめ、自分がいる国のサッカー事情と比較しながら、読んでいます。今日は、この本を簡単にご紹介します。


イタリアサッカーの特徴

イタリアのサッカーは好守というイメージがありますが、これは元来の怠け者の国民性を最大限に活かすサッカー戦略のようです。いかに最小の動きで、相手の攻撃を封じ込めるかを、究極まで突き詰め、数センチ単位のポジショニングにまで拘ります。

国全体が守備への意識が高く、プロの試合でのテレビ放送は、得点シーンの後に、すぐに失点した相手選手の守備の問題点を議論します。得点だけを賛美する日本の解説の問題点は、セリエA, Bリーグのイタリア人監督の著書「守り方を知らない日本人」でも、指摘されていました。

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この国は子供達をどう育成する?

ローカルな少年サッカーチームは、子供達が、楽しくサッカーができることを重要視します。一般的なチームは、週二日の平日練習と、週末の公式戦、練習時間は1時間半です。サッカーの練習のやり過ぎで子供を疲労させるのを防ぐとともに、肉体的にも精神的にも十分な休息をとることで、試合で、いざという時に爆発的パワーを発揮するよう、考えています。

では、この少ない練習量で、どうしてイタリアは世界制覇を4回も達成しているのでしょうか? 

多くの子供は、チーム練習のない日も公園に行き、自然と集まった色んな学年の子供達とお遊びサッカーをするそうです。お遊びサッカーは、疲労を蓄積せず、試合勘を鍛える最適な場です。この習慣が、この国のサッカーを強くする根底になっています。


もしエリート下部組織から誘いが来たら

もし、息子さんが、プロチームの下部組織のスカウトの目にとまり、チームへの移籍を打診されたら、どうしますか?

1. 承諾する
2. 条件を聞いてじっくり検討する
3. 条件も聞かずに断る

多くのイタリアのお父さんが、条件も聞かず断るのだそうです。著者の宮崎隆司さんでさえ、断ると言うので驚きです。

サッカーが全てというようなイタリアでは、少年達のお父さんはもちろんガッツリサッカーをやってきた人達です。そんなお父さん達は、上のカテゴリーのレベルの高さを熟知し、上のチームに入れば、子供が試合に出られなくなる可能性もわかっています。育成の世界をよく理解し、何のために子供にサッカーをやらせるかがブレないので、意思決定に迷いがないのかもしれません。


サッカー協会が目指す少年サッカー

最後に、イタリアのユースサッカーの試合規定と比較のためアメリカも載せました。

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イタリア情報がカルチョの休日から、アメリカの方はこちらからまとめました。イタリアの年代カテゴリーは、わからなかったので、推定で振りました。

イタリアの試合規定は、小さい学年で、全員を試合に出させる方針をとっています。なるべく全員がボールを触れるように、5人制の少人数制試合にしています。U13以降は11人制に移行しますが、それでも試合登録人数の制限し、多くの選手に試合の出場機会を与えます。

この傾向は、アメリカも共通し、今の育成の流れなのかなぁと思いました。アメリカの場合、試合登録人数までしかチームに選手を入れません。そうすることで全員の試合時間をある程度確保することと、コーチ一人当たりの選手数を少なくし、指導がいきわたるように工夫しています。

もし間違いや他の国の情報がありましたらお知らせください。日本を含めて色んな国の試合規定を比較するのも面白いかもしれません。


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少年サッカーの悩みや経験を、海外の多角的なママ視点から綴るブログ。ブログを通して読者には、サッカーを通した楽しい親子関係が構築できるよう、運営しています。


ブログ著者:アメリカ在住、大学研究者。
3歳の息子を連れて母子研究留学を経て、2012年より家族でアメリカに移住。


ご連絡はこちらまで:utlogan101@gmail.com